瞑想ヨガ ~内なる旅に出ませんか~

東京の八王子市、高尾山の麓で活動しています、ヨガと瞑想インストラクターのなつこです。
レギュラークラスについては、文章の最後にご紹介しています。

ヨガや瞑想の目的は、心をベストな状態に整えることです。
その為に最も近い道は、日々こつこつと自分に向き合うという、最も遠い道しかありませんが、よかったらご一緒に、楽しみながらのんびり歩んでいきませんか。

数日前、東日本橋のヨガスタジオ Studio Lotus8で、恩師である綿本彰先生のレギュラークラス『瞑想ヨガ』を受講して、プチ悟り体験をしたので久しぶりにブログを書くことにしました。

文章の内容はあくまで私の体験と解釈ですので、先生が伝えられたかったこととはズレているかもしれませんが、私の気づきを綴った文章として楽しんでいただければ幸いです。

さて、悟りというと大袈裟で、とてもすごい修行者にだけ起こるすごいことのようなイメージがあるかもしれませんが、ヨガや瞑想で自分と向き合うことを続けているともっと身近な感覚です。

自分を縛っていた思い込みの枠が外れ、目の前の世界がこれまでとはちがう見方で見え始めることで、悩みが解けてスッキリする感覚です。

円相とは、あの筆で書いた円のこと

彰先生のStudio Lotusのクラスは1時間45分と長く、冒頭にたっぷりお話の時間あるのが醍醐味です。

先日は先生が「みなさん円相ってわかります？演奏〜♪ じゃないですよ」と言って指揮者の振りをして笑ったあと、「円相場と同じ字なんですが…」と言って立ち上がり、白い壁に向かって腕を大きく動かし手のひらで円を描き「これです。」と言われました。部屋の空気が変わりました。

禅の書である円相は、始まりの地点に再び戻ってくるという意味があるそうです。悟りを求めて旅に出るが、結局は同じ場所に戻ってくる。

そういえば私は４年前にこの先生に出会って「百年かかってもいいから、こんな素晴らしい先生を目指したい」と宣言し先生のティーチャートレーニングを受けたのです。コロナ禍中に色々あってあちこちさまよい、別の学びの旅をしたりしていて、この日はとても久しぶりに先生のクラスに戻ってきたところだったので、「帰ってきたね」と言われたような気持ちになりました。

十牛図の一枚目、旅立ち

それから十牛図のお話になりました。「十牛図」は中国の禅の入門書で、悟りにいたる10の段階を10枚の図と詩で表したものです。画像は先生の昔のご著書『瞑想ヨーガ入門』から拝借しました。十牛図の一枚目『尋牛』、牛を探しに旅に出るという絵には、結局探しているものは自分の中にしかないのになぜ外の世界へ探しに行くのか、それって無意味だよねという注釈が書いてあるそうです。皆さんがヨガをしているということは、すでに旅に出ているんですよね。ジャーニーって言うと素敵に聞こえますね。何ジャーニーって言うんでしょうね。

私はそれを聞いて、そうか私も古の修行僧と同じように、そしてここにいる皆と同じように、旅に出ているんだ、色々と大変な目に遭ったり美しい景色が見れたり、出会いや発見があったりしながら旅をしてるんだ、それでいいんだ、と思うとなんだか自分が愛しくなってきました。

この世界はどのように起こっているか

それから、ヨガの哲学で考えられているこの世界の出来事はどのように起こっているかというお話をしてくださいました。あらゆること、その人が何を思うか、どう反応するか、どう行動するかも、全てはその前に起こったことの結果であり、全てがつながっている、人それぞれ過去の体験が原因となって、結果が導かれている。だから避けようがなく、変えようがなかったんです。このお話はヨガや瞑想のクラスでいろんな表現で何度も聞いたお話なのですが、彰先生は哲学の難しい言葉をひとつも使わずに、やさしくお話ししてくれます。今回は、それこそが今私が一番聞きたかったことだった！と思うほど、なぜかとても納得しました。

じゃあどうしたらいいんですか？

先生の興味深いお話の余韻の中で座禅瞑想に入りました。集中しつつも時々気が遠くなったりし、そのあとは瞑想的な誘導でハタヨガのポーズに集中しながらも、私の頭の中にはときたま『世界がそのようなのは納得しました。でもじゃあどうしたらいいんですか？』というフレーズがぐるぐるしていました。普通誰でも「じゃあどうしたらいいんですか？」って思うよねと。

クラスが終わった後は、眠りから覚めたばかりのようなとぅるんとした感覚と、まだ続いている答えの出ないぐるぐる感が共存した状態で、先生には「今日のクラスとてもよかったです。ありがとうございました。」とお伝えして帰宅しました。

その日の夜、答えがやってきました。先生がいつも言われている「人事を尽くして天命を待つ。やれる限りを尽くす、だってそれしかできないんだから。」と言う言葉が思い出されました。私の中にあった自分や他人を許せない気持ち、不安や焦りがすーっと溶けて消えていきました。

それから、私が昨日ぐるぐるしていた「じゃあどうしたらいいんですか？」っていうのは、最近観た宮崎駿の映画「君たちはどう生きるか」の問いと一緒だなと気づきました。

その夜は、心地よい満足感と安心感と共に眠ることができ、翌朝いつも通り最近続けている笑い呼吸法とヨガと瞑想のルーティーンを済ませた後、たまたま近所のトンカツ屋さんの暖簾にこの円相が書いてあるのを見つけて驚いて、やっぱりブログを書こうと思ったんです。朝からトンカツを食べに行ったんじゃないですよ。

下がちょっと切れてるけど、円相ですよね。ずっとここにあったはずなのに、これまで全く目に入っていなかったんですね。そういえばコロナ禍が始まり、先生がオンラインクラスを始められた頃、先生のお部屋の背景にも大きな円相が飾ってあったのを思い出しました。